損得勘定で家づくりを決めてはならない
家づくりで得する、損するという話題を目にすることが多いですが、そもそも
家づくりを損得で考えていいのかという点についてお話しします。
建て時はいつ?
わが家の建築、購入を考えた時に気になることの一つは、いつ建てるのが得か
という点でしょう。
世間では「得する家づくり」、「建て時キャンペーン」などという文字もここ
数年よく目にしますが、本当に建て時なのでしょうか?
建てる人の状況を踏まえず、一方的に建て時とうたう住宅会社は危険です。
外部環境だけで建て時と判断することはできません。
外部環境と建てる人それぞれのタイミングが合致していなければ建て時では
ないのですから。
政府の需要喚起策に踊らされてはいけない
住宅ローンや取得費用贈与の税制優遇や補助金制度など、一見すると得する
ように感じる施策が目に入ってきます。
景気低迷時の経済立て直しには、関連産業の多い住宅の需要喚起策がとられ
ます。
家を建てて国の経済立て直しに協力した結果、我が家の家計が破綻するよう
では本末転倒。
国の施策は景気回復が目的であり、個人が家を建てる目的とは異なるのです。
家づくりでは得しない
家づくりで経済的に得をする、つまり将来的に不動産価値が上がって売買に
より利益が見込めるなどということは今の時代考え難いのです。
また、値引きも決して得することではありません。
たいていは資金繰りや営業マンのノルマなど、会社側の都合によるものです。
中には耳を疑うような値引き額を聞くこともありますが、そこまで値引きし
ても大丈夫ということは元の金額はいくらなのでしょう。
あらかじめ値引きを前提とした設定金額だとしたら何も得にはなっていません。
なぜ多くの人が家を建てたいと思うのか。
その気持ちの奥にあるもの、家を建てる理由をもう一度家族で話し合い、考え
てみるべきなのです。
家を建てる理由をもう一度考える
「今の住まいが手狭になった」
「家賃を払うのがもったいない」
「子どものために部屋が欲しい」
理由はいろいろあるでしょうが、つきつめていくと、「家族と過ごす時間を大事にしたい」
という気持ちに行き着くのではないでしょうか。
特に小さな子どもがいる家庭であれば、その成長の過程を家族で大切に過ごしたいという
思いが強いのではないでしょうか。
であれば、家を建てる時、損得よりも先に建てる目的、建てた後の生活を考えるべきです。
建てる前は建てることだけに目がいきがちですが、問題はそこで過ごす時間。
税制優遇や補助金などの甘言にひかれ、無理して建てても、ローンで家計がひっ迫し、破綻
してしまえば、本来の目的であった楽しい時間は過ごせなくなります。
だから家づくりは損得勘定で決めてはならないのです。